今年で4回目となる「靴EXPO」。昨年と同じ奈良県大和郡山市にあるイオンモールさんで開催されました。私たち、奈良靴産業協同組合所属の革靴メーカー7社は皆、奈良県大和郡山市で靴の製造を行っており、このように一つの地域にある程度の数の靴メーカーが存在し、靴づくりが地場産業の一つとなっているところは全国でもそれほどありません。奈良県大和郡山市は、東京の浅草周辺、大阪の西成地区、神戸の長田地区などに次ぐ、靴づくりの土地なのです。
そんな7社のメーカーが一堂に集まるイベントである靴EXPO。7社が共同でつくるKOTOKA や奈良木型の靴をはじめ、各社の靴が1度に集まり試着や購入までできるイベントです。回を重ねるごとに、来場してくださる方も増えてきました。
少しずつ、型数が増えてきた KOTOKA ですが、まもなく発売予定の新型から、これまでに発売したものまで、実物をフルラインナップで見られる機会とあって、多くの方に興味を持っていただきました。
この機会に試し履きをしてくださった方や、購入してくださる方には大変感謝しております。皆さまの率直な意見をお伺いすることは、大変貴重な機会で、私たちもたくさんの気づきを得ることができました。
また、奈良の7社の革靴メーカーが共同で開発した「奈良木型」の靴も展示しました。こちらも多くの方に興味を持っていただき、手に取って確かめていただきました。「しっかりフィットする革靴の心地よさを提供したい」そんな想いから、7社が共同で木型をつくるという新たな試みに、興味を持ってご覧いただけました。
オリエンタルシューズ 株式会社
本格的ドレス靴からスニーカーまで幅広いタイプの靴を製造する技術と設備を持ったメーカーです。自社ブランドの開発にも積極的で、奈良で靴をつくっていきたいという想いを込めた「YAMATO ism(ヤマトイズム)」や人の歩き方に着目した「MID FOOT」など、様々な特徴の靴を並べていました。
北嶋製靴工業所
ヒールアップシューズという分野で日本を代表するメーカーです。お客様からの電話への丁寧な対応など、高い顧客サービスでお客様から強い支持を得ている企業です。今までは、ニッチな分野であったヒールアップシューズを、幅広く知られ、求められる靴にしたいと努力を続けています。
シャミー 株式会社
量販店市場向けに、コストパフォーマンスを追求したビジネス靴を供給してきたメーカーです。ここ数年は、革靴づくりのノウハウを活かして新たな事業展開として革小物に力を注ぎ「Native Creation」というブランドを成長させてきました。革小物の展開は、紳士靴にはないカラフルな色どりをイベントに添えてくれました。
株式会社セランド
ビジネス靴を主力としながらも、近年は女性向けウォーキングシューズに力を入れており、上品なカラーリングの、軽量で歩きやすい靴のラインナップはイオンモールのお客様の大きな指示を得て、ブースにはたくさんのお客様がいらっしゃっていました。
出原製靴(エンパイヤシューズ)
警官や県職員向けの仕事靴の製造を主力としながらも、デザインにひねりを加えたビジネス靴を展開するメーカーです。どこか違ってお洒落な、それでいてリーズナブルな価格のビジネス靴を展示しており、若いビジネスマンのお客様を惹きつけていました。
トロ―ベルシューズ 株式会社
家族全員が工場で靴づくりや管理、事務の仕事をする、アットホームなメーカーですが、近年はより付加価値の高い靴をつくろうと、木型、素材、デザインの開発に力を入れています。後継者不足に悩む製造業の中にあって、これからが楽しみな企業でもあります。
東浦秀次商店
ソールレザーなど靴の底材、部材メーカーである傍ら、親族の靴職人を迎え入れて靴や革小物づくりにも取組み、KOTOKAやレザースニーカー、個性豊かな革小物をつくっているメーカーです。従来の靴メーカーとは少し違った視点でつくる新鮮味あふれる靴も並んでいました。
このように、奈良の靴づくりをこれまで支えてこられた、奈良靴産業協同組合所属の革靴メーカー7社の靴も幅広く展示しました。それぞれのメーカーの個性が現れ、またしっかりとした靴づくりでつくられた靴や革製品をご覧いただくだけでなく、日々靴づくりに励む各メーカーの方との触れ合いも、ご来場の皆さまには新鮮だったのかもしれません。
また皆さまとこうした機会でお会いできるよう、丁寧に、日本人らしい靴づくりを続けていきたいと思います。たくさんのご来場、本当にありがとうございました!