奈良発靴ジャーナル

2023/03/15
KOTOKAの経年変化 (たつの蝋引きレザー)
KOTOKAの経年変化 (たつの蝋引きレザー)
KOTOKAの経年変化 (たつの蝋引きレザー)

新しい奈良の革靴「KOTOKA」は、奈良の7社の革靴メーカーが共同で開発し、奈良で製造する靴です。奈良に息づく日本古来の伝統を生かした靴にしようと、7社で考え抜いてつくられました。簡素さの中に美を見出す日本独特の感性や、素材を厳選し、多くの加工をせずにその良さを生かす日本料理の考え方を取り入れた革靴です。

KOTOKAではいくつかの革を使っていますが、いずれも日本の、厚手でしなやかな革。それをライニング(裏張り)を付けずに一枚革で使っています。一枚革で使うことで足馴染みが良くなり、革がやわらかく足を包む履き心地と共に、革の自然な経年変化も味わえます。

今回は数あるKOTOKAの「たつの蝋引きレザー」を使ったモデルの経年変化をご紹介します。

吉野チャッカ たつの蝋引きレザー ブラウン

2か月間、週5回ほど着用した「吉野チャッカ」のブラウンです。たつの蝋引きレザーは、革の芯まで蝋(ワックス)を染み込ませた珍しい革です。水濡れに強く、自然な色ムラが風合いを感じさせます。仕上げ段階で軽く揉んであるので、比較的早く経年変化による表情が生まれるのも特徴です。

革の芯まで蝋(ワックス)を染み込ませた、たつの蝋引きレザーは、引っ張られたり押されたりしたところの色が明るくなる、プルアップレザーでもあります。このため、シワの入るあたりがやや明るくなって、表情が豊かになっています。

一枚革サイドゴア たつの蝋引きレザー キャメル

週一回の着用ペースで約1年分ほど履き込んだ「一枚革サイドゴア」のキャメルです。甲部分には深いシワが入り、色の陰影も深まって、履き込んだ歴史を感じさせます。明るい色の靴は色の変化を感じていただきやすく、色の変化を楽しみたい方にはおすすめです。

古都ホールカット たつの蝋引きレザー ダークネイビー

こちらも週一回の着用ペースで約1年分ほど1年以上履いた、ダークネイビーの「古都ホールカット」です。革が足に馴染んで形を変え、シワが刻まれています。ダークネイビーは染料の性質から、時間と共に青みが落ち着き、色合いが少し変わります。(少し緑っぽくなってきます)それも、この革の経年変化の面白さと言えるでしょう。

KOTOKAで最も多く使われている革、たつの蝋引きレザーの経年変化、いかがでしたでしょうか?経年変化の出方は靴一足一足で多少違ってきます。それが、KOTOKAを履く方だけの一足として、愛着が持てる靴に育ててくれることだと思います。

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