奈良木型の靴

「しっかりフィットする革靴の心地よさを提供したい。」
こう考えた奈良の革靴メーカー7社が
今の日本人の足形傾向を踏まえて、
共同で開発した「奈良木型」。
その木型でつくった革靴が登場しました。

奈良木型とは

奈良木型画像

靴の形は、平らな革や布地を縫い合わせて「木型」に乗せ、下方向に強く引っ張ることでつくられます。形はもちろん、履き心地も「木型」によって決まります。
千差万別な足の形を持つ多くの方が、できる限り快適に履けるような木型。靴メーカーが本来目指すべき木型はそうしたものです。
しかし、デザインが優先されたり、幅広の足でも入れやすい太めのものばかりとなったり、理想と現実が違ってしまうことも少なくありません。
「奈良木型」は、奈良の革靴メーカー7社が、本来あるべき姿に立ち返り、以前とは違う今の日本人の足形を考慮して開発した木型です。
12のサイズと2種類の幅を揃え、足幅が狭い方、広い方、甲の低い方、高い方、
それぞれにしっかりとフィットする靴の快適さを味わっていただくことを目指しています。

開発背景

  • ①日本人の足は甲高幅広?
    いいえ、今はそうとも言えません。

    開発背景画像

     「日本人の足は甲高幅広」と言われます。かつてはその通りでした。男性の場合、JIS 規格の足囲(足幅、ウィズ)でEEE (3E) やEEEE (4E) といった幅広の方も多く、そうした足に合う靴が 「日本人の足に合う靴」 として数多くつくられてきました。
     しかし、最近の調査によると今は違ってきています。44 歳以下の男性の 53%がウィズにしてA~E という、多くの方が、細い、またやや細い足を持っていることがわかったのです。ですが、今でも売り場に並ぶ靴の多くは幅広のもの。幅広の靴ならば細い足も入るので売りやすい、というのが主な理由だと思われます。
     今では多くなった細めの足の方にちゃんとフィットする靴は、なかなか見つからないのが現状なのです。

奈良木型の特徴

ほどよく丸いつま先 つま先は一般的なドレス・ビジネス靴よりも丸くなっています。ビジネスのみならずカジュアルにも履けるデザインの靴とするためですが、つま先近くにゆとりを持たせて足指を圧迫することが少なくなり、履き心地の向上にもつながります。 内振り設計 つま先からカカトのラインには適度な角度を付け、土踏まずをゆるかに絞っています。指先に負担をかけずに甲をしっかり包んでホールドする心地よいフィット感や歩きやすさも考慮した設計です。 足形の変化の傾向に基づいて低めにした甲の前部 以前に比べ薄い足が増えているという足形傾向を考慮して、甲の前部を低めにし、同時に指の付け根の幅にゆとりを持たせました。甲の前部とかかとで足をホールドして足をしっかり固定しつつも指のあたりの締め付けの少ない靴となるようにしています。

既成靴型としての奈良木型

高価なオーダーメイドの靴であれば履く方の足形を測ってそれに合う木型をつくることができます。しかし大多数の靴は既製品として様々な足形を持つ、幅広いユーザーを対象としてつくられます。奈良木型もそうした既成靴の木型として設計したものです。2つのウィズと12のサイズを揃え、足形の変化の傾向を踏まえることで、今まで以上に多くの人々に、しっかりフィットする靴をお届けすることを目指しておりますが、全ての人に完璧なフィットをお約束するものではないことをご理解いただけましたら幸いです。

TOP