KOTOKAの革
たつの蝋引きレザー
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この革の特徴
兵庫県たつの市は、姫路の西に位置する日本最大の革の産地。鎌倉時代より革をつくってきた町です。
その「たつの」のタンナー(革製造業者)で、タンニン仕上げ(二次なめし)し、手間のかかる方法で革の芯まで蝋(ワックス)を染み込ませ、最後に軽く揉んで仕上げた革です。
履いていない時は蝋分が固まってやや固く感じますが、履くと体温で柔らかくなり足によく馴染みます。革に染み込んだ蝋分が生む独特の色の陰影も特徴的です。この色の濃淡は靴を履き込むにつれて表情を変え、味わいを深めます。
仕上げの最後に軽く揉まれていることで、シワやシボ(表面の凹凸)など経年変化で生まれるような風合いを最初から持っている場合があります。また、革本来が持っているトラと呼ばれる筋なども敢えて消さない仕上げ方をしています。
他の革では仕上げ工程で隠したり避けたりされる、これらの天然の革だけの個性を生かした、靴にすると一足ごとに違った個性を見せる革ですが、その素朴で自然な印象が実に魅力的な革です。
蝋分をたっぷり染み込ませてあるので水濡れにも強い革です。雨の日でも履いていただけます。
お手入れについて
日々のお手入れはブラッシングで十分です。履いた後に毛足の長めのブラシ(馬毛がおすすめです)で靴のホコリを払ってください。ほんの数十秒でできる簡単なお手入れですが、履く度にブラッシングをすることで、長期間で大きな違いが出てきます。
水濡れに強い革ですが、雨に濡れたり泥がついた場合は柔らかい布で拭き取って自然乾燥させてください。防水スプレーは使用しないでください。スプレーに含まれる溶剤が革の表面の蝋分を溶かしてシミとなる恐れがあります。
艶を出したい時には、少量のシュークリームを靴全体に薄く伸ばし、ブラシや柔らかい布で磨いてください。どのような色の革にも使える無色のシュークリームが便利です。