姫路丘染めオイルドレザー
兵庫県の城下町、姫路は、隣のたつの市と並び日本の革づくりの中心地。多くのタンナー(革製造業者)が分業体制を取りながら、それぞれの専門分野で術を磨いています。原皮を素揚げの革にする一次なめし専門のタンナー、染色や仕上げ工程を行うタンナー、などです。
この革も、姫路、たつの地域のいくつかのタンナーが分業体制でつくったものです。植物タンニンでなめしを行い、多くも手間をかけて仕上げられます。通常、革の染色は大きな回転ドラムに染料と多くの革を一度に入れて行われます。これを、台にのせた革に手作業で一枚一枚染めていくのが「丘染め」といわれる染色方法です。手による染めなので色の濃淡が生じますが、これが丘染めだけが持つ色の陰影となり味わい深い靴になります。
染色の合間にそれぞれ数回行う、オイルやワックスの擦り込みやアイロンも手作業です。
オイルによるしっとりした感触のスムーズは肌目。自然な濃淡と透明感のある色合い。こうした特徴的が、履くほどに味わいを深めます。
[お手入れについて]
お手入れは日々のブラッシングを中心に、艶を出したい時にシュークリームをお使いください。
茶色い地色の革に手で染色を施しているため、肌目が摩耗したりキズが入ることで茶色い芯が見えてきます。そのままの風合いを楽しんでいただくこともできますが、色を戻したい場合は、革色と似た色のシュークリームで補色してください。少量のシュークリームを靴全体に薄く伸ばし、ブラシや柔らかい布で磨いてください。
雨などで濡れた場合は日陰で数日かけて十分乾かしてから、シュークリームでお手入れしてください。